ジジジジっ

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ジジジジっ

エアコン頼みの毎日だったけれど、昨日は日が暮れてから気温も下がり、風が気持ちよかったので網戸にして窓を開けていた。遠くから花火の音が聞こえた。 
 
 ああ、もう夏も終わりに向かっているんだなと思っていると、それを証明するみたいに、ベランダでジジジジっと蝉の音がする。ジジジジっと言ってしばらく経ってからまた、ジジジジっと。わざわざ見なくても、蝉のもがいている姿が目に激光脫毛價錢浮かんだ。
 
 朝になり、植物に水をやろうとベランダに出ると、案の定、蝉が1匹お腹を見せて転がっていた。ああ、やっぱりここで死んじゃったんだと、箒とちりとりを取りに行く。
 
 どこか他所の、土のある場所で死んだらいいのに、なんでここなのと思いながら、柄の長い、立ったまま使えるちりとりを構える。そうして箒で蝉に触れるか触れないかのその瞬間だった。ジジジジっとものすごい音を立てて蝉が飛び上嬰兒濕疹がった。
 
 うわ、生きてたんだと驚いて箒を振り上げ、そのままベランダの外へ追い払うつもりが見失う。蝉はすぐそばのバラのトレリスの向こう側、箒の届かないところにとまっていた。どうせならもう少し頑張って飛んで行ってくれたらよかったのに、それが精一杯だったんだろう。
 
 昨夜から何時間も、ベランダに転がっていたはずだ。その間、蝉は何を考えていたんだろう。何か、きっかけさえあれば俺はまだ飛べるのにと思っていたんだろうか。
 
 バラの向こう側の蝉は、どのみちここでまたベランダの床に落ちるんだろう。そう思っていた。でも、今見たらもう、どこにも見当た康泰らない。

 もう一度、飛べたのかな。
 今日も暑い。
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